こんにちは

今日は、
日本薬局方(JP) 第17改正第一追補の概要 その②
ということで、
バイオ医薬品関連のお話を紹介します。
まず、バイオ医薬品の品質特性解析項目の例を挙げます。

分析方法として、HPLCやLC/MSが多く該当しています。
JPbio-1

次いで、バイオ医薬品の原薬の規格及び試験方法の例について
まとめた表を示します。

様々な方法での評価が必要になってきます。

JPbio-2


バイオ医薬品の品質試験で参照される主な参考情報には、

G3 単糖分析及びオリゴ糖分析/糖鎖プロファイル法←JP17新規収載

G3 ペプチドマップ法 PMDA日局HPにて。意見募集中

G3:生物薬品関連
等があります。

 

糖鎖試験法についてみていきますと

一般試験法:糖鎖試験法

1.     単糖分析

単糖の定量 

・高pHイオン交換クロマトグラフィー/パルス式電気化学検出法

・誘導体化及び液体クロマトグラフィー

2.     糖鎖プロファイル法

遊離糖鎖の分析

・誘導体化及び液体クロマトグラフィー/蛍光または紫外吸収検出法

・高pHイオン交換クロマトグラフィー/パルス式電気化学検出法

・キャピラリー電気泳動

・質量分析

3.     糖ペプチド分析

糖ペプチドの分析

・液体クロマトグラフィー/質量分析

・液体クロマトグラフィーで分取後、質量分析

・液体クロマトグラフィーで分取後、遊離糖鎖を分析

4.     糖たんぱく質のグリコフォーム分析

糖たんぱく質の分析

・等電点電気泳動

・キャピラリー電気泳動

・キャピラリーゾーン電気泳動

・質量分析

・イオン交換液体クロマトグラフィー

ということで、HPLCが大活躍します。

分析例:

    エリスロポエチンの単糖分析

 Harazono A. et al. Biologicals 39 (2011) 171-180

     抗体のオリゴ糖

原園 景et al. 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス 44, 357 (2013)

     エリスロポエチンのグリコフォーム分析(LC-MS)

Harazono A. et al. Rapid Column Mass Spectrum. 28, 921, 2014

などを参考にしていただければと思います。

続いて、
凝集体/不溶性微粒子とバイオ医薬品の安全性についてご紹介します。


リスク源:凝集体/不溶性微粒子

事象:抗薬物抗体産生

結果:有効成分の血中半減期短縮、
活性中和による有効性低下、
型アレルギー、型アレルギー

 

凝集体/不溶性微粒子は、バイオ医薬品の重要品質特性です。

 

課題として

凝集体/不溶性微粒子の分析法

凝集体/不溶性微粒子と免疫原性との関連

を確立し、示す必要があります。 

バイオ医薬品の規格及び試験方法の代表例としては
JPbio-3
このようになっています。


凝集体/不溶性微粒子の評価法としては、
サイズによって分類されており、

100nm以下:サイズ排除クロマトグラフィー

100nm~10µm:評価されていない

10µm以上:日局 不溶性微粒子試験

となっています。

100nm~10µmの範囲に関しては、

共振式質量測定法

ナノ粒子トラッキング解析法

フローサイトメトリー

レーザー回折法

動的光散乱法

フローイメージング法

超遠心分析

フィールドフロー分画

 

など、様々な方法が行われています。

 

中でもフローイメージング法は、

2µm以上の粒子の大きさ、数、形状を評価でき、
オイル、エアー、ゴム片、ガラス片などの区別が可能です。
透過率の高いタンパク質凝集体微粒子を
評価できる可能性があるとされています。

 

実際の例(柴田寛子 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス 47(7), 2016)においても、
従来の光遮蔽法と比較して、フローイメージング法はカウントされる粒子数が多く、
見落としが少ないことが分かっています。

日本薬局方 第17改正 条文と注釈
日本薬局方解説書編集委員会
広川書店
2016-05-01