こんにちは。

今日は、
クエン酸や、人工キレートである
EDTA などを添加することによる
重金属の取り込みへの効果を調査した論文を
紹介します。

EDTA を添加した土壌で育てた
Brassica juncea Pb 蓄積が増大したことは
既に報告されています。

ただし、
EDTA のような人工キレートの利用は、
金属浸出による地下水の汚染につながることから
強く批判されています。

この研究では、
天然脂肪酸であるクエン酸(
Citrate),
シュウ酸(Oxialate)、
天然芳香族酸であるバニリン酸(
Vanilic Acid)、
没食子酸(Gallic Acid)、
人工キレートである
EDTA, DTPA
土壌と共に
Cd, Pb, Cu, Zn 及び Ni の炭酸塩と混合し、
300 rpm 24 時間金属脱着を行い、
3000 g 15分間遠心分離にかけた後、
ろ過した溶液の濃度を測定しました。

下図は、様々な濃度でキレートを与えた時の
脱着された金属の濃度です。
論文6 Fig1

これより
EDTA 及びDTPA は、
天然有機酸と比較して大量の
Pb を脱着したことが分かります。

また、クエン酸及びシュウ酸は、
20 mmol / kgで与えた時に Zn, Cu 及び Ni
よく脱着しました。

芳香族低分子量有機酸であるバニリン酸及び没食子酸は、
土壌からの金属脱着には最も効果が無く、
これはおそらくこれらの酸の低い水溶性が
原因であると考えられます。

しかし、これらの酸を高濃度(
10 mmol / kg, 20 mmol / kg)に与えた時、
Zn のみ濃度が高くなりました。

人工キレートと比較して天然の化合物を用いることは、
金属汚染された土壌を浄化する技術である

Phytoextraction
の社会的認知を受けやすくなります。

そのため、天然の脂肪族低分子量有機酸及び芳香族低分子量有機酸を

Phytoextraction
に利用するに当たって
人工キレートに匹敵するようにするための更なる研究が必要であると考えられます。

参考文献
Clístenes Williams Araújo do Nascimento, Sci. Agric. (Piracicaba, Braz.), v.63, n.3, p.276-280, May/June 2006