こんにちは。

今日は大学時代に研究していた
ファイトレメディエーションについて
ご紹介します。

ファイトレメディエーション

ファイトレメディエーション (Phyto-remediation) は、

ギリシャ語で「植物」を意味する「Phyto」、
ラテン語で「浄化・修復」を意味する「remediation

組み合わせた造語であり、
植物の吸収・蓄積及び蒸散等の生理機能を利用して
水中や土壌中、あるいは大気中の汚染物質を浄化する
技術の総称です。



 この手法には

・安価である
・種々の汚染物質を除去できる
CO2 放出等の環境負荷が小さい
・低濃度で広範囲の土壌浄化に適している
・土壌の機能を維持出来る
・現地で浄化ができる
・より毒性の高い Bioavailability 画分を優先的に浄化できる

という多くの利点があります。

しかし一方では、

・処理時間がかかる
・根よりも深い汚染の浄化に不向きである
・植物が生育できない寒冷地や高濃度の汚染地域では適用できない

等の欠点もあります。


様々なファイトレメディエーション

Phytoextractionファイトエクストラクション

Phytoextraction とは、植物の地上部(茎・葉)に
有害物質を吸収・蓄積させ、
刈り取ることで除去する手法です。


この手法は、生体内で分解されない重金属、
あるいはホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、
及びアンチモンのような半金属の除去に有効とされています。

Phytoextraction の過程としては、

根から重金属還元酵素などが分泌され、
重金属をキレート化、可溶化した後に吸収すると考えられています。

吸収された重金属はその後、
根中にそのまま蓄積されるか、
地上部に輸送されてから蓄積されます。

この手法に用いる植物は何でも良いというわけではなく、
一般的に以下の条件を満たしている必要があります。

1.       重金属に対する高い耐性がある。

2.       重金属を高濃度に蓄積できる。

3.       生長が早く、バイオマスが大きい。

4.       様々な金属を吸収できる。

5.       病害虫に対して高い耐性がある。


Phytoextraction をより実用化するためには、

Hyperaccumulator(ハイパーアキュムレーター)
と呼ばれる重金属超蓄積植物の存在が必須となります。

植物学者の Baker 氏とBrooks 氏によると Hyperaccumulator とは、
以下のように定義されています。


図2


しかし一般的には地上部に金属を 1000 ppm 以上蓄積できる植物のことを言います。

現在では西洋カラシナ (Brassica juncea)
ヘビノネゴザをはじめとし、約 400 種の植物が報告されています。


図11


しかしこれらの植物は生長が遅く、
バイオマスが小さいという欠点を持っています。

近年では、この問題を解決するために、
遺伝子操作によって Hyperaccumulator の遺伝子を生長の早い植物に導入し、
Phytoremediation 
能力を強化させる研究が行われているのです 


次回はその他のファイトレメディエーションについてご紹介します。

最後まで読んでいただきありがとうございました。