こんにちは。

昨日に引き続き「分析化学との出会い」

今日は「~前処理編②酸分解~」です。


前回の工程で、
「根」「茎」「葉」
がカピカピに乾燥されました。

これからこれを、分析できる状態、
すなわち溶液にしていきます。

この工程はタイトルにある通り、
「酸分解」と呼びます。


この「酸分解」によって
動物の組織や植物、大気粉塵などのあらゆるサンプルを
溶液状態にすることができます。

ということで、

「動物と植物とでは、細胞壁とかの作りはちょっとちがうけど、
基本的には生き物だしいけるでしょ!」


ということで酸分解の方法は、
同研究室で動物を取り扱っている班のやり方を真似しました。

案外これですんなりいきました。
ただ、植物組織はきれいに溶けたものの
根に残っていた土(発芽の際に使用した)粒子は溶けずに残っていました。


酸分解で具体的に何をしたかというと、

①乾燥サンプルを一定量、秤量する
85℃で四時間乾燥させ、デシケーターの中で放冷・保管します。

②秤量したサンプルを均質化し、フッ素系樹脂製密閉容器にいれる
乾燥試料はメノウ乳鉢を使用して均質化し、8mgを
タフテナーと呼ばれるフッ素系樹脂製密閉容器に入れます。

③硝酸400μL、過酸化水素200μLを添加する
硝酸や過酸化水素が手に飛んだりすると
局所的にやけどしますのでご注意を。

④フッ素系樹脂容器をマイクロ波分解装置にセットする

⑤マイクロ波分解を行う

マイクロ波分解は電子レンジのようなものです。
以下のプログラムで行います。
microwave


繰り返しになりますが、この操作をすると
動植物の細胞のありとあらゆる組織が破壊され、
無色透明の液体になります。

これが試料溶液となります。

最後に、

⑥共洗いなどをしてフッ素系容器から
一滴残らず試料を回収し、PPチューブに入れ
一定量にメスアップ
内標準物質(インジウム)を50ppbとなるように添加し、
試料の全量が1.2gとなるように超純水希釈しました。

これで前処理終了です。




ところで、私の研究室はというと、
主として無機分析を行う研究をおこなっていますので、
使う装置としては
 
・誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)
・誘導結合プラズマ発光分光分析計(ICP-AES)


が主になります。

サンプルが混合物である場合には、
分離手段としてHPLCやイオンクロマトグラフも使っていました。


ICP-MSはいわゆる微量元素の定量ができる
分析装置であり、ppbオーダーから、
最近ではpptオーダーまでの測定をすることができます。


ICP-AESは主成分元素の定量に向いており、
ppmオーダーから数十ppbくらいまでは定量できます。


私がターゲットとしていた元素は
銅(Cu)、亜鉛(Zn) の必須元素と
カドミウム(Cd)、鉛(Pb) の有害元素
の4元素でしたのでほとんどがICP-MSだったと思います。




次回は測定準備編として、

・検量線の引き方・定量の方法
・試料注入の方法
・QC(Quality Control)

などについて書こうと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。